弓取式(ゆみとりしき)は、大相撲の本場所で結びの一番の勝者に代わり、作法を心得た力士が土俵上で弓を受け、勝者の舞を演ずる事である。全取組終了後、打ち出し前に行なわれる。 |
今日の原型ができたのは、寛政3年(1791年)6月11日に横綱である谷風梶之助
(2代)が徳川家斉の上覧相撲で、土俵上で弓を受け「敬い奉げて四方に振り回した」ことからである。 |
本来は三役揃い踏みに大関として登場した2人のうちの勝者が行なっていたが、千秋楽に幕内の取組がなくなり、幕下力士が行なうようになった。 |
弓取を行なう力士は向正面に控えとして座り、結びの1番で東が勝てば東から、西が勝てば西から土俵に上がり、弓を振り、四股を踏む。なお、控え席には何も敷いておらず、基本的に地べたに座る(関取が弓取りを行う場合は座布団が用意されている)。 |
弓取を行なうのは原則として幕下力士だが、特別に大銀杏を結い、化粧廻しを締めて、土俵に上がる。基本的に横綱がいる部屋の力士によって行なわれ、横綱不在の場合は大関のいる部屋から選出される。 |
なお弓を落とした場合、手を土俵につくと負けとなり、縁起が悪い事から、足で拾う。ただし足の指で摘まみ上げるのではなく、足の甲に弓を乗せ、足で弓を上に跳ね上げたところを掴み取る。 |
弓を土俵の外に飛ばした場合は、呼出が拾って、手渡すことになっている。最近では2008年3月場所の10日目に、当時三段目で高砂部屋の男女ノ里が弓を落としてしまい、作法通りに足を使って拾い上げている。 |